全国スローフードリーダー会議
(宮城・気仙沼)
2007. 2/24〜25


2007年度スローフードジャパン運動方針・活動計画
 

2007年2月24日スローフードジャパン

■運動方針の骨子

昨年はスローフード運動にとり20周年の年で、10月にイタリアトリノでは第6回目のサローネ・デル・グスト、第2回目のテッラ・マードレが開催され、世界から20万人の人が集結し、盛大なイベントが行われました。スローフード運動の哲学や理念、具体的アクションが随所で表現され、多くのメッセージが世界へ発信されました。
さて日本のスローフード運動も2004年の設立から3年たち、4年目を迎えます。この3年間は組織としての基盤を固めることを最優先に取組んできました。お蔭様で45のコンヴィヴィウム、2000人の会員が組織化され、世界の中でイタリア、アメリカ、ドイツにつぐ4番目の大きな組織になりました。
しかしながら、活動の内容や会員との連携、コミュニケーションなど多くの面で不充分な実態があり、会員の中から不満の声もでています。昨年6月から会員、非会員の皆様に意見、コメントをいただき、現状を分析し、整理してきました。それらの声を反映したスローフードジャパンのあるべき姿をつくるための中長期ビジョンの策定に取り組み、この度その案がまとまりました。
2007年はその中長期ビジョンにそった実施の1年目になります。現状分析の中で多くの人の声はスローフード運動の本質である哲学や理念を充分理解していないまま表面的な言葉や行動をとらえてわかった気になっているのではないかという指摘でした。
この多くの人たちの指摘を謙虚にとらえ、何で今さらとは思いますが、ここで運動の本質の理解を徹底したいと考えました。

●イタリアの20年にわたるスローフード運動のプロセスや成果をイタリアから専門家を招き、実践活動を通じて知り、理解するプログラムを行います。(MOFのCV巡回)

●イタリアのノウハウを身近に知る手段として、ジャパン本部機能の中にスローフードの情報、資料、書籍、映像、出版物などのライブラリーを用意し、CVや会員に公開します。中でも人気のあるテーマは日本語版に翻訳し利用しやすい方法をつくります。
(調査研究所)

●CVや会員に哲学、理念を知ってもらうためにコミュニケーションの徹底を考えます。本部とCV、本部と会員、会員同志などタテ、ヨコ、ナナメのコミュニケーションが活発に行われるような仕組みを考えていきます。(情報誌の発行)
このような具体的な施策を通じてスローフード運動のあるべき姿を求め、その第1歩の「スローフードの本質を学ぶ」年にしたいと考えています。このハードルを越えればゴールは見えてきます。ぜひご理解とご支援をいただき、全員で世の中のための運動へと推進していきたいと思います。

■活動計画

@中長期ビジョンの共有化

-1.全国コンビィヴィウムリーダー会議での討議
中長期ビジョンの骨子を全CVリーダーへ配布。意見、コメントを集約(2/10)、リーダー会議で議論したいテーマを抽出、検討します。(2/24)

-2.各CV活動の中で共有化の推進
各CVの会合、イベントの中でビジョンの考え方、アクションテーマなど披露し、CV活動の具体化へ役立ててもらいます。

-3.小冊子を作成し、会員へ配布
ビジョンの概要をまとめ、小冊子を作成し全会員へ配布。CV活動や日常の行動に役立ててもらいます。

A哲学、理念の定着

-1.MOFのCV巡回プロジェクト
イタリアスローフード協会が20年にわたって創造してきたMOF(マスターオブフード)全23種の中から代表的なテーマ数種を選び、イタリアから講師を呼んで希望CVを巡回し実践化する。テーマにそった食の歴史、文化、伝統食文化などの背景と生産プロセス、調理、健康、栄養、食べ方などを学ぶものです。

-2.調査研究機関の設立
イタリアスローフード運動の哲学、理念やノウハウ、アクションは全てドキメンテーションにまとめられ、印刷物、映像、テキストなどで表現されている。これら20年にわたる資料の全てを日本で一堂に集め、閲覧できる調査研究機関を東京(関東圏事務所)に設置する。特に関心のあるテーマは日本語版に編集していきます。

-3.情報誌の発行
イタリアでの行事や出来事、世界のスローフード運動の現状、日本本部の施策(アルカ、食育、生産者、フェア)、各CVの活動、人材の紹介など全会員に配布する情報誌の発行を計画する。できるだけ早い実現を目指していきます。

B運動の加速

-1.スローフードフェア(パシフィコ横浜)の実施<07年4/28-29>
スローフードジャパンとして最も大きなイベントであり、味の箱舟(アルカ品目)、食育コーナー、生産者の出展、イタリアのアルカ、プレシディオの出品、イタリアの食文化コーナー、食科学大学紹介などスローフード運動が一堂に集る。ぜひ多くの会員に参加してもらいたいと考えています。

-2.日本の箱舟ツアーの実施
味の箱舟の活動は05年9品目、06年11品目を抽出、国際本部から認証されました。この活動をより多くの人に理解してもらうため、会員が味の箱舟の生産現場を訪れ、直接生産者と交流したり、現地の環境、風土、歴史文化にふれ、とけ込むなどのツアーを企画しています。一般的なグルメツアーとは違う質の高い企画でいっぱいです。企画は準備でき次第案内します。ぜひ多くの会員の参加を期待しています。

-3.菜園倶楽部(仮称)運動
アメリカの「スクールガーデン」、イタリアの「オルト・イン・コンドッタ」などに代表される農地を使った教育システムが今、国際スローフード運動の中で活発です。日本でも各CVの中で同様の企画が実施されています。本部ではこれら各CVの活動をジャパン公認とし、各CVの活動を更に促進させることを考えています。まず紹介や交流からはじめていきます。

CCV活動の充実

-1.会のあり方の検討
会員が減少し、組織としての活動も小さくなり、CVの会の運営に厳しさがでてきています。そこでスローフード運動の促進、会員拡大を図り、CVの活性化を向上させるため、その基本となる会員、会費について検討していきます。

(1)会員の種類、会費についての多様な形を検討
(2)会費の配分(国際本部、ジャパン本部、CV)の検討
(3)会員の開拓の検討
(4)会員の運営の検討

-2.CV活動の活発化

(1)会発足時の指導

設立準備の指導と同時に、継続するための支援を行っていきます。(資金、場所、人材、専門知識、情報、人間関係など)

(2)会の活動支援

会が円滑に運営するために活発に運営している成功例を紹介していくなどの基本マニュアルを作成していきます。特徴ある会になるように本部より各種情報を提供し参考にしてもらいます。CV間の交流を促し、自由活発に相互研鑚に取組んでもらいます。若い人の会員を増やす仕組みづくりを促していきます。

D委員会活動

委員会発足2年目を迎えます。各委員会もいよいよアクションの段階に入ります。全員で応援しましょう。

(1)味の箱舟委員会
(2)食育委員会
(3)フェア委員会
(4)生産者委員会

※広報、交流委員会は本部活動に合流しました。

E国際運動との連動

今年もスローフードの国際活動が活発に行われます。
その中でも3つの行事に注目し対応していきます。

(1)5月のスローフィッシュ大会(イタリアジェノバ)
(2)6月の食科学大学生の日本研修
(3)11月のメキシコ世界大会

以上

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