我々の世紀は、工業文明の下に発達し、 まず最初に自動車を発明することで、生活のかたちを作って来ました。我々みんなが、スピードに束縛され、そして、我々の慣習を狂わせ、家庭のプライバシーまで侵害し、「ファーストフード」を食することを強いる「ファーストライフ」という共通のウイルスに感染しているのです。今こそ、ホモ・サピエンスは、この滅亡の危機に向けて突き進もうとするスピードから、自らを開放しなければなりません。我々の穏やかな悦びを守るための唯一の手段は。このファーストライフという全世界的な狂気に立ち向かうことです。この狂乱を、効率と履き違えるやからに対し私たちは、感性の悦びと、ゆっくりといつまでも持続する楽しみを保証する適量のワクチンを推奨するするものであります。
我々の反撃は、「スローフードな食卓」から始めるべきでありましょう。
ぜひ、郷土料理の風味と豊かさを再発見し、かつファーストフードの没個性化を無効にしようではありませんか。生産性の名の下に、ファーストフードは、私たちの生き方を変え、環境と我々を取り巻く景色を脅かしているのです。ならば、スローフードこそは、今唯一の、そして真の前衛的回答なのです。真の文化は、趣向の問題ではなく、成長こそにあり、経験と知識との国際交流によって推進することができるでしょう。
スローフードは、より良い未来を約束します。
スローフードは、シンボルであるカタツムリのように、この遅々たる歩みを、国際運動へ押し進めるために、多くの支持者たちを広く募るものであります。
(この宣言は1986年にイタリアにて発表された)