北海道東北ブロック会議&岩泉の旅 2009.5.9-10 (岩手県岩泉町・盛岡市)
4. こちらは安家の短角牛生産者の牛舎です。どうですか、この佇まい。東北地方にはこういった周辺の自然ととけ込んだ人の生業があります。こうした人がつむぎだす農村風景の美しさを北海道は見習うべきだと思いました。
9. この後、若生会長や山形の安藤さんと一緒に岩泉の生産者を訪ねあるいた。こちらは伝統の「踏み鋤」を教えてもらっている所。左右の足で踏みながら、畝を下から上にまっすぐ作るのがこの鋤の特徴。なかなか難しい。
北海道東北ブロック会議&岩泉の旅 フレンズのみなさん、こんにちは。 事務局のやまもとです。 5月9日に盛岡市で行われた北海道東北ブロック会議の報告をさせていただきます。 当会からは事務局の山本敬介が会の費用で参加させていただきました。また、作り手 売り手部会リーダーの太田欽一郎さんが私費でご参加くださいました。 まずこの会議は初めて開催されたわけですが、経緯をご説明しますと、スローフード ジャパンが昨年1月にNPO法人となり、それまで最高議決機関だったリーダー会議 の存在が曖昧になりました。全国に50あるコンヴィヴィウムの意見をジャパンの運営 に反映される必要があると感じた当会では湯浅リーダー中心に、コミュニケーション の重要性をことある毎に説いてきました。その結果、まずは東北北海道でコミュニケー ションを深めようと開催されました。また同時に東北北海道ブロックのリーダーと事 務局によるメーリングリストも開設されました。 今回会議に参加くださったのは以下のメンバーです。 SF岩手 合砂リーダー 茂木事務局長 塚原事務局員 SF宮城 若生リーダー(スローフードジャパン会長) 千葉サブリーダー 櫻井サブリーダー SF八戸 河原木リーダー 根城副会長 SF青森 石崎監事 SF気仙沼 畠山氏 SF秋田 石田リーダー SF宮城ユース 寺田リーダー 柴田事務局長 SF山形 安藤氏 SFフレンズ帯広 山本 太田 議題は以下の通りでした。 ●各コンヴィヴィウム設立の経緯と基本方針 ●事務局運営と運営資金の調達方法 ●今後の各コンヴィヴィウムの味の箱舟取り組みについて ●10月のスローフードフェア、テッラマードレジャパンについて ●その他 ___ 全般的な感想を言いますと、全国のリーダー会議ではほとんど自己紹介や活動の簡単 な報告だけで会議時間がいっぱいになってしまうのに比べ、3時間の議論でしたが大 変充実した時間を持つことができ、情報交換もできました。北海道東北としての一体 感も今後生まれていくのではないかと期待が持てました。 議題の中からかいつまんで報告いたします。(長文失礼します) ●宮城ユースコンヴィヴィウムについて 宮城大学の食産業学部の学生によって2008年12月に設立された日本初の学生コンヴィ ヴィウム。スローフードジャパンで半年間インターンシップとして働いた寺田麻里絵 さんがリーダー。スローフードの流れを若い世代に働きかけていこうという世界的な 動きがあり、寺田さんは昨年のテッラマードレにも参加した。 ●イベントへの協賛企業の考え方 スローフード秋田のリーダーで、イタリア国産本部に5年勤めた石田雅芳氏から、会 の運営資金についての話の中で、イベントへの協賛企業についてお話がありました。 スローフードジャパンレベルの協賛については厳しい選別が必要であるが、コンヴィ ヴィウムのイベントレベルでは過剰に選別を気にする必要はない。イベントに企業ス ポンサーを付け、チラシなどにロゴを入れることにより、参加費はコンヴィヴィウム の収益になる。イタリアのコンヴィヴィウムはこういった運営を行っている。 ●味の箱舟について 登録を考えているものとして 宮城 上伊場野(旧三本木町)の里芋 山形 焼き畑農法のカブ数種(またはあつみカブ) 秋田 地豆 気仙沼 魚の登録が可能か?(周回性のものは難しい>石田氏) 北海道 足寄のラワンブキを説明しました。 また、石田氏から、味の箱舟もプレジディオも、登録によって「何を守れたのか」 「何を語れたのか(どんなメッセージを伝えるのか)」を常に検証することが必要。 イタリアでは商業ベースにすっかり乗って、後押しの必要がなくなったものは登録解 除する動きもでている。(スローフードの役割は終わったという考え方) ●オステリアガイドについて オステリアガイドについて議論があり、フレンズの「スローなお店ガイド」をみなさ んにお見せし、どういった基準でお店を選別し掲載したか、そのプロセスなどについ てご説明しました。ほかのコンヴィヴィウムから賞賛いただき、若生会長からは同じ やり方で東北北海道のガイドをできないかと提案がありました。(そんなに簡単では ないとお答えしましたが…) ●10月に行われるスローフードフェア、テッラマードレジャパンについて 若生会長より、現在の状況が説明されましたが、フードアクションニッポン(農水省 の自給率アップのプロジェクト)の補助の金額が確定しておらず、横浜市とも調整を している。現在では全体の予算規模が流動的との説明がありました。補助が少なくなっ たときには、パシフィコではなく市の施設を使うなど、無理をせず身の丈にあった規 模の開催も考えているとの事でした。 のこり5ヶ月あまりとなった段階で、開催は確定しているものの、予算が決まってい ないことに危惧の声が上がりました。また、山本は、テッラマードレ(食のコミニティ の情報交換と交流イベント)は、不安定なイベントと抱き合わせにするのではなく、 東北や九州など生産地で小さく始めて育てていくべきだと発言しました。この発言に ついて石田氏から同じ考えだと意見を出していただき、ほかのコンヴィヴィウムの共 感も得ることが出来ましたが、若生会長からは、カルロ会長に生産地に足を運んでも らうなども検討したいとちょっと的はずれな解答でした。 ●北海道東北ブロック会議の意味 スローフードジャパンには5名の理事(+監事2名)がおり、理事会が運営の基礎と なっています。理事は「東北北海道」「関東」「関西」「九州」各ブロックから選出 され、会長氏名の事務局長が加わります。定款では理事の選出方法を限定してはいま せんが、今後もこの方式が採用されるとみられ、東北北海道ブロックから若生氏が選 出され、理事となり会長となっていることから、重要なブロック会議だという認識が 必要だと思います。今回は話し合われませんでしたが、来年の改選に向けて、ブロッ クからの選出方法なども話し合われるべきだと考えています。またフレンズの総会で もジャパンの運営理事が少なすぎる(コンヴィヴィウムの意志が反映されにくい)の ではないかという意見が出ましたが、今後これらのことも提案が必要だと考えていま す。 ___ また、今回の会議に合わせて、前日にスローフード岩手のある岩手県岩泉町に入り、 翌日の夕方まで岩手の茂木さん塚原さんに大変お世話になりました。私と太田さんは ぶらりとおじゃまするつもりだったのですが、終日さまざまお世話になり、岩泉の暖 かな人々、じっちゃばっちゃに出会い、素晴らしい農や自然や歴史に触れさせていた だきました。岩手のメンバーとは2年前のテッラマードレでご一緒させていただき、 岩泉入りは念願でしたが、正直言ってここまで素晴らしい場所だとは思っていません でした。再来年3月には八戸で全国総会が決まっていますが、その際はフレンズのみ なさんとツアーで訪れたいと思いました。以下、スローフード岩手の概要と、事務局 長茂木さんのことばです。 ●SF岩手について 岩手県から90キロ離れた岩泉町で主な活動を行っている。会員数は60名。前リーダー は現岩泉町長。事務局は地域資源を使ってさまざまな製品を作っている町の第3セク ターの地域振興課が担当、町からは毎年40万円の補助を受けている。 以下茂木事務局長のことば スローフード以前に、自然と調和した地域の暮らしに憧れがあって、そういう暮らし を受け継いできた高齢者と過ごす時間がとても好きです。例えば、雑穀の栽培・調理 方法、味噌玉の作り方。もしスローフードに出会わなければただ自分の趣味の範囲で 終わっていたけれど、たまたま支部の設立に携わり、事務局を任されることになって、 そのような地域の宝をどうやって伝えていくか、どうやって収益につなげていくか、 ここで暮らす喜びをどうやって感じるか(感じてもらうか)を考えるようになりまし た。2002年設立から今までに積み重ねてきたことを整理し、未来につながる何かを組 み立てていかなければならないし、それがあと何年生きられるかわからないじぃばぁ への恩返しだと思っています。 -------------------------