味の箱舟ツアー2009「えりもと岩泉・短角牛と地域の暮らし」 <1>

2009.8.22-23

(北海道えりも町〜十勝地方)

写真をクリックすると大きな画像(850×565ピクセル)をご覧いただけます。
 
1. さあ、2009の味の箱舟ツアーのはじまりです。岩手から参加の茂木さん塚原さん合砂さんと二風谷で待ち合わせて、まずは高野民芸へ。岩手もアイヌの文化が深いところです。
2. 復元しているチセなど高野さんにお話を伺いながら、ゆったりと見せていただきました。チセの中の囲炉裏周りに敷いてあった「チタラベ」が素晴らしい座り心地でした。このチタラベはガマの葉で出来ているんです。アイヌの手業の素晴らしさをあらためて感じました。
3. 途中浦河でメンバーのパン屋さん「ぱんぱかぱん」に立ち寄りました。海に面したテラスでパンを食べました!おいしい!

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えりもに着いてすぐに短角牛に会いに行きます、いつものトラックの荷台に乗り込んで…これが楽しい!
5. いましたいました、えりもの勇壮な浜をバックに短角です。短角牛は夏は牧草地でずっと過ごします。種付けも自然交配でなんとこの草原で子供を産んで、お母さんのお乳で育つんです。こんな幸せな家畜はなかなかいないんじゃないでしょうか。
6. 啓子ちゃん、むっちゃんがさわっているのはオスの短角。さすがはオスです。でっかい!でもとってもおとなしいんです。
7. お次はえりも町の目黒地区をぶらぶらと歩きました。目黒地区は40戸の小さな集落ですが、昔ながらの営みが続いている魅力溢れる地域です。
8. 目黒地区を通る国道の橋の上からは鮭の遡上が見られるんです。これってすごいことですよね。(でも地元ではフツウ)

スローフード岩手のみなさんから発表いただきました。
スローフード岩手の“味の箱舟”短角牛の取り組み(茂木さん)、岩手県におけるプレミアム短角牛の取り組み(塚原さん)、これからの短角牛生産にかける思い(合砂哲士さん)
いずれも素晴らしいお話しでした。

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10. 夜はもちろん幸せな牛「短角牛」を、えりものみなさんも集まってみなで囲みました。あ〜こっちも幸せ…。短角牛ありがとう。おいしくいただきます。


味の箱舟ツアー2009「えりもと岩泉・短角牛と地域の暮らし」


 2009年北海道スローフード・フレンズの味の箱舟ツアーは、えりも町百人浜を望む素晴らしい環境で短角牛を育てているメンバー高橋祐之さん秀子さん基弘さんの牧場を舞台に、短角牛のルーツである岩手県から、スローフード岩手の事務局長茂木和人さん、同じく事務局の塚原良子さん、短角牛生産者で岩手リーダー合砂さんの息子合砂哲士(あいしゃさとし)さんをお迎えして、輸入穀物に頼らない生産が可能で、肉は脂身が少なくヘルシーで旨みが多い短角牛について、さまざまな角度から情報交換したいと思います。
 また、えりも町や道内の多くの地域でも地域の暮らしを見つめなおし、まちづくりにつなげていく取り組みが行われています。岩泉町は安家(あっか)地大根や雑穀など古くから地域で生産されてきた作物を使ったまちづくりを進めている地域です。そして、まさに小さな生産者と消費者をつないでいるのが、岩泉町の第3セクター勤務しスローフード岩手事務局を勤める茂木さん塚原さんのおふたりです。地域の小さな暮らしを見つめる意義についても大いに語りたいと思います。みなさまふるってご参加ください。
えりも高橋ファームHP http://www.erimotankaku.com/

●えりも町目黒地区について
 黄金道路の中間にある漁業中心(目黒漁港がある)で40戸ほどが暮らす小さな集落。現在でも鮭のふ化場があり、過去には林業会社があった時代もある。日高館内唯一の自然湖でハートの形で有名な「豊似湖」があり、江戸時代に作られた猿留(サルル)山道という古道もある。シマフクロウが棲み、冷泉がわいているといううわさも…。高橋さんが会長をつとめるえりも町地域協議会では、この目黒地区の豊かな地域資源に注目し、取り組みを進めているところです。 
えりも博物誌HP http://www10.ocn.ne.jp/~erimo/

●SF岩手について http://www.0194.net/sfi/
 岩手県盛岡市から90キロ離れた岩泉町で主な活動を行っている。会員数は60名。設立発起人は現岩泉町長。事務局は地域資源を使ってさまざまな製品を作っている町の第3セクターの地域振興課が担当、町からは毎年40万円の補助を受けている。
以下茂木事務局長のことば
 スローフード以前に、自然と調和した地域の暮らしに憧れがあって、そういう暮らしを受け継いできた高齢者と過ごす時間がとても好きです。例えば、雑穀の栽培・調理方法、味噌玉の作り方。もしスローフードに出会わなければただ自分の趣味の範囲で終わっていたけれど、たまたま支部の設立に携わり、事務局を任されることになって、そのような地域の宝をどうやって伝えていくか、どうやって収益につなげていくか、ここで暮らす喜びをどうやって感じるか(感じてもらうか)を考えるようになりました。2002年設立から今までに積み重ねてきたことを整理し、未来につながる何かを組み立てていかなければならないし、それがあと何年生きられるかわからないじぃばぁへの恩返しだと思っています。(茂木和人)


●今年5月フレンズ事務局やまもとと太田さんの2人が岩泉町を訪れました。そのもようはこちらから。
http://www.slowfood-friends.org/archives/2009-05-09/index.htm

■スケジュール・料金など
8月22日(土)
12:30 えりも町高橋ファーム まぶりっと集合 http://www.erimotankaku.com/
12:45 第1部 見学とお話「えりもの短角牛と地域の暮らし」
      1.百人浜をはるかに望む 短角牛放牧場見学
      2.短角牛 生産の現場を学ぶ
        毎日の仕事 季節の仕事 冬の牛舎 餌など
      3.えりも町目黒地区(地域資源豊かな40戸の小さな集落)
        ぶらぶらと歩きながら地域の現状などお話をうかがう
16:00 第2部 講演 「岩泉の短角牛と地域の暮らし」
      1.岩泉町及びスローフード岩手の概要、
        スローフード岩手の“味の箱舟”短角牛の取り組み 
         スローフード岩手事務局長 茂木和人
      2.岩手県における※プレミアム短角牛の取り組み
         (株)岩泉産業開発 塚原良子
      3.これからの短角牛生産にかける思い 短角牛生産者 合砂哲士
17:30 第3部 「えりもと岩手の短角座談会」
      高橋祐之さん・基弘さん・湯浅優子さん
      茂木和人さん・塚原良子さん・合砂哲士さん
      コーディネイト山本敬介
18:30 交流会準備
19:00 第4部 「北海道と岩手の交流会」  短角牛焼肉「短々」
      テイスティングゲーム「GIOCO DEL PIACERE」
      SF秋田(石田リーダー)提案の催し。秋田の蔵元直送の4-5種の日本酒を(銘柄を
      隠して)全国のコンヴィヴィウムで同時にテイスティングし、食事を楽しむというもの。
      一番良かったお酒を集計します。イタリアではワインで行っているそうです。
21:00 2次会 
23:00 終了

8月23日(日) 第5部 「北海道のスローな場所と人を尋ねて」
08:00 えりも出発
09:30 中札内美術村 六花の森 http://www.rokkatei.co.jp/facilities/index.html
11:30 帯広市 川合農場 八列とうもろこし等見学
13:00 スローランチ 清水町 シアンルルめぐみ http://www.shianruru.net/
15:00 湯浅ファーム見学 http://yuasafarm.exblog.jp/
      <味の箱舟ツアーはここで終了>
17:00 占冠 マルシェひまわりなど 
20:00 夕食 苫小牧 第一洋食店 http://www5.ocn.ne.jp/~dyoshoku/

■宿泊 えりも町岬地区の民宿に素泊まり(まぶりっとから送迎)
■参加費(当日徴収します)
 参加費 1泊2食(夕食は交流会) 11000円(税込) ※スローフード会員1000円引き
●参加費に含まれるもの
 22日宿泊代・講演など・交流会(夕食)・飲み物代・23日朝食・昼食・フレンズ協力金
●追加費用(テイスティング含) お酒結構飲む方+1000円・お酒1〜2杯飲む方+500円
●費用に含まれないもの  中札内美術村、湯浅ファーム以降の費用
●基本的に自家用車乗り合わせによる集合と移動のツアーです。参加希望の方で、交通手段のない方はお気軽にご相談ください。


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<2009味の箱舟ツアー 参加希望フォーム>
参加締め切り 8月18日(火)  北海道スローフード・フレンズ事務局まで 
Eメール:info@slowfood-friends.org  fax:0167-39-8722 tel:0167-39-8711
○名前(同行者の参加は列記)
○住所
○電話番号
○参加
○チェックを入れてください
 □全日程参加  □部分的に参加(        から       まで)
 □交通手段(自家用車・JR・○○さんと乗り合い・交通手段相談したい)
 □事情があり個室を希望(  )名1部屋(基本的には相部屋ですが) 
 □お酒結構飲みます  □お酒少し飲みます  □お酒飲みません
○その他留意事項あれば書いてください。
何卒よろしくお願い申しあげます。
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※注プレミアム短角牛
 「赤ベコ」の愛称で親しまれている短角牛は、北国の山の暮らしの中で育まれてきた。近年健康的で滋味深い赤身肉として人気のある短角牛だが、餌の地域自給に取り組んだ新しい短角牛の出荷が岩手で始まった。岩手県が中心となり2006年から研究・開発した「いわてプレミアム短角牛」だ。
 一般的な肉用牛は穀物中心のエサを食べて育つが、それらは外国からの輸入に頼っているのが現状で、エサの輸送のため膨大なエネルギーを消費している。これに対してプレミアム短角牛は地元で栽培した粗飼料(牧草や牛用トウモロコシ)を中心に育てられる。岩手の風土が育んだ短角牛の特徴を生かし、肉のおいしさと食の安全性を追求し、さらに環境にも配慮した未来志向の牛肉なのだ。
 本格的な出荷に先立ち、今年2月に盛岡市のレストランで関係者が集まりお披露目会が開かれた。今のところ岩泉町と久慈市山形町でのみ飼養され、今年は50頭、来年は100頭の出荷が予定されている。
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撮影:山本敬介 ※写真の無断使用は固く禁じます。
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