しむかっぷ近自然ワークショップ&セミナー2009
「鵡川の美しい未来・川の再生を資源と防災から考える」

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2009.10.1-2

(北海道占冠村)

写真をクリックすると大きな画像(850×565ピクセル)をご覧いただけます。
 
1. 近自然セミナー&ワークショップの2日目は、おいしい朝食から。今年から占冠に来た太田さんの焼いたパンと、10月にオープンしたばかりの占冠初めてのファームイン「NORA」の伊藤さんが作ってくれた、トマトジュースとスープ。う〜んうまい!
2. 鵡川に架かる「赤岩橋」。以前は占冠のシンボルでした。ですが新しい道が出来、橋が架かったことで、この橋は使われなくなりました。いずれは壊されるのでしょうか。ここからの眺めは素晴らしく観光利用が出来ないかと思いました。
3. ニニウを抜けて福山まで、鵡川沿いの砂利道を進みます。ここからみる鵡川の景観は財産だと山脇さんは言われました。村にすむ我々はそれらを感じる目が鈍っているなと思いました。反省です。この写真は景観を無視した工事のあと。崖の排水のため、斜面を水路が縦横に走っています。

4.

福山からさらに鵡川の河口へ向かうのですが、国道274号線を迂回し、途中もうひとつの鵡川支流のダム、穂別ダムを見ました。このダムは完全な農業用のダムで、ここで水をためて、水田のために放水しています。シルトといわれる非常に粒子が細かい土質のため、水が濁ってしまい、下流では放水時期に懸念しているそうです。
5. 穂別町の、ダムと本流の合流地点の河原です。ここで、自然ガイドの細谷誠氏に、福山-穂別間に放置されている壊れた堰(発電所跡)の画像を見ながら状況を説明してもらいました。その場所には川を下って行くしかありません。細谷氏は鵡川を源流から海まで下るツアーを実施しており、この堰の状況を熟知しています。
6. さらに下って、鵡川河口近くへ来ました。2つある農業用の頭首工(とうしゅこう)です。穂別ダムで放水した水をこの2つの頭首工から水田へ送っています。後付けで魚道が作られていますが、全然機能していません。その証拠にあがろうにもあがれない鮭が堰の手前でうようよと泳いでいます。サクラマスが上流で見られなくなったのもやはりこの2つの堰が大きな理由の一つのようです。
7. いよいよ河口近くになりました。むかわ町でも占冠と同じようにまちづくりの協議会を作って活動しています。11月にはシシャモを考える初めてのイベントを準備していると言うことで、協議会事務局長の菅原さんにご説明いただきました。左は今日ご一緒いただいている開発局苫小牧事務所の巌倉さんです。
8. ここが鵡川135kmの河口です。鵡川はアイヌ語で「塞がる川」という意味。なるほど、河口は砂ですぐに塞がれてしまうそうです。河口すぐ近くにはアイヌの人たちがシシャモを祀っているシシャモカムイノミの祭壇があります。

9.

そして!待望のシシャモ寿司です!なんとラッキーなことにこの日がシシャモの解禁でした。透き通ったシシャモは、さばくのにとても手間がかかるそうです。う〜ん、うまそ〜!(うまかったです。)
10. こうして源流から海までの長いツアーは終了しました。源流の森の民と、河口の海の民は、これから川を通して交流していきたいと思います。今回はとても良いきっかけになりました。


しむかっぷ近自然ワークショップ&セミナー2009
「鵡川の美しい未来・川の再生を資源と防災から考える」


■しむかっぷ近自然ワークショップ&セミナー2009
「鵡川の美しい未来・川の再生を資源と防災から考える」

■主催:しむかっぷふるさとふっつくふくらむ協議会(ふふふ協議会)
[ふふふ協議会構成メンバー:占冠村・占冠村教育委員会・占冠村観光協会・占冠村商工会・占冠村農業経営研究会・森林人林業グループ・自然ガイドネットワークぷんぷか・しむかっぷ山菜を楽しむ会]

■内容
 昨年に引き続き、地球環境問題の基本から、環境負荷が少なく防災にも配慮した河川や道の改修、バイオマス(自然)エネルギー、衣食住、まちづくり、豊かさの指標、そしてこれからの環境ビジネスまで、スイスを拠点に地球規模の環境の考え方「近自然学」を研究されている山脇正俊氏をお招きして、わかりやすく解説していただきます。
 また、昨年11月の近自然ワークショップに参加してくれた、北海道登別明日中等教育学校2年の森岡慧士君が今年の夏スイスの山脇さんを単身訪ねました。15歳の森岡くんが見た、環境先進国スイスのようすや感動を報告していただきます。
 さらに、2日間に渡るワークショップでは占冠村〜むかわ町を流れる「鵡川」を見つめ直します。鵡川は源流から海まで135kmに渡り、本流に大きなダムがありません。しかしながら周辺森林の伐採などで、水量は昔の半分に減ったとも言われ、サクラマスの遡上もわずかしか見られなくなりました。鵡川の源流、砂防ダム、山女魚の養魚場、市街地の防災状況、中流域の環境、河口の漁業の現場を訪ね、「鵡川」の美しい未来のために、現在おかれている「鵡川」の状況を学びましょう。■講師:山脇正俊氏(スイス近自然学研究所代表・北海道工業大学客員教授)
 山脇氏が研究されている「近自然学」は現代における環境学の基礎になるものです。環境負荷の基本的な考え方から、環境負荷の少ない河川や道の改修、バイオマスエネルギー、衣食住、まちづくり、豊かさの指標、そしてこれからの環境ビジネスまで網羅した現在も進化し続ける学問です。
http://web.mac.com/masatoshiyamawaki/

■スケジュール
■10月1日(木)

A●近自然ワークショップ-1 「鵡川源流の森を歩く」
 10時〜12時00分
 場 所:占冠村奥トマム鵡川源流
 集 合:占冠村中央道の駅9:00 占冠村上トマムコミュニティセンター10:00
 主 催:しむかっぷふふふ協議会  
 参加料:500円(地域素材のおにぎり付)
 持ち物:歩きやすい服装、飲み物、コップ

B●近自然ワークショップ-2 「鵡川源流部の環境と資源」
 13時00分〜16時00分
 場 所:占冠村上トマム〜字占冠〜山女魚養殖場〜山女魚産卵床〜ヒグマ痕跡
     〜中央〜双珠別ダム
 集 合:上トマム占冠村コミュニティプラザ
 主 催:しむかっぷふふふ協議会  
 参加料:無料

C●近自然セミナー「近自然学と河川再生の可能性」
 18時〜19時30分
 場 所:占冠村コミニティプラザ会議室(道の駅しむかっぷ裏手) 
 主 催:しむかっぷふふふ協議会  北海道スローフードフレンズ
 参加料:無料
 講 師:山脇正俊氏(スイス連邦工科大学・チューリッヒ州立総合大学講師・北海道工業大学客員教授)

D●報告「15歳が見た近自然とスイス」
 19時30分〜20時
 場 所:占冠村中央コミニティプラザ会議室(道の駅しむかっぷ裏手) 
 主 催:しむかっぷふふふ協議会  北海道スローフードフレンズ
 参加料:無料
 報告者:北海道登別明日中等教育学校3年 森岡慧士君

E●地域素材のお料理で交流会
 20時30分〜22時
 場 所:ミルクキッチンふらいぱん(道の駅しむかっぷ内)
 メニュー:エゾ鹿バーガー、エゾ鹿タコス、村の野菜を使ったサラダなどなど
 参加料:3000円+飲み物代
 協 力:ふらのワイン

F●宿泊される方
 場 所:双民館(男女別相部屋)
 料 金:1500円(朝食-しむかっぷの新しいパン屋さん「まあらあのくばん」のパンとコーヒー付)

 
撮影:山本敬介 ※写真の無断使用は固く禁じます。
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