山脇正俊さんを囲む札幌セミナーのご案内

 東日本を襲った大地震と大津波、それによって引き起こされた福島原子力発電所の事故は日本の社会に激震を与えました。この大災害がもたらしたものは原子力エネルギーを含めて今の社会のあり方はこれでいいのか、との問いかけでした。価値観の変化(パラダイム シフト)が劇的に求められたと言ってもいいと思います。
山脇正俊さんは「近自然」の考え方から「量から質」「集中から分散」「地方や個人が自立してネットワーク化された社会」「石油、原子力などの集中エネルギーから太陽熱などの分散エネルギーへ」が新しい価値観のキーポイントだと言います。そこにいたる手法も具体的に提示しています。「自然とは闘わない。逆らわない。破壊力をそぐことが重要」とも言っています。大津波を経験したわれわれが共感できることではないでしょうか。
スローフード・フレンズは過去数回、山脇さんのセミナーを開催し学んできました。今回は3・11後ということもあり、さらに突っ込んだ、まちづくり、エネルギー問題などについてお聞きしたいと思います。参加をお待ちしています。友人、知人もお誘い下さい。

日   時 2011年11月2日(水)午後6:30~8:30
場   所 札幌市北区北8西3エルプラザ2階 環境プラザ研修室
主   催 スローフード・フレンズ北海道
共   催 北海道エネルギーチェンジ100プロジェクト
北海道エコビレッジ推進プロジェクト
参 加 費   1000円
*申し込み・問い合わせ フレンズ事務局メール/info@slowfood-friends.org  fax 011-614-7105

■山脇正俊さん(やまわき・まさとし)プロフィール 
近自然(工)学研究家、スイス近自然研究所代表。1950年高知県生まれ,1978年スイス連邦立チューリッヒ工科大学客員研究員として招かれ永住。1980年よりスイス連邦工科大学・チューリッヒ州立総合大学講師(武道)、2004年より北海道工業大学客員教授。スイス・ドイツの新しい川づくり『近自然河川工法』を日本に紹介し続け、『多自然型川づくり』の普及に力を注いできた。現在、近自然(地球環境と人との共生共存の包括的理念)の具体的応用と実践をライフワークとしている。2 0 0 4 年9 月から日経B P ウェブサイトで『入門「近自然学」: 豊かさと環境の両立は可能だ』を連載。
http://www.nikkeibp.co.jp/jp/report/expert/index13.html
http://web.me.com/masatoshiyamawaki/homepage/granddesign-jp.html

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2011/11/4(金)-5(土)
近自然セミナー&ワークショップ2011 しむかっぷ
「水を巡る旅~スローシティ」

●開催主旨
  近自然学は環境、エネルギー、防災、まちづくり、食料など、地域が生き延びるために必要な要素を総合的に組み合わせた学問で、それぞれの分野のエキスパートが参加して世界のさまざまな状況に日々アジャストしています。
  占冠村でセミナーを開催し回を重ねるごとに、さまざまなこれらまちづくりの要素が「鵡川」という大きな水の流れに集約されてきています。今回は観光の側面、そして村内での各団体による関連報告も加えて、さらにそれを深めていきたいと考えています。
  また、世界中のスローシティを訪ね取材している、作家の島村菜津さんをスペシャルゲストに迎えて、地域固有の資源を大切に、頑固に地域文化を守りながら、誇り高く笑顔で暮らしている、世界中の素敵な街のお話をお聞きします。
  さらに、今年は東日本大震災の発生によって、近自然学の提唱する「防災」の側面もその存在価値を増しています。すべてを「一律に防ぐ」のではなく、小さな被害は想定しながら「確実に守る」手法も学びたいと思います。

●日時:2011年11月4日(金)~5日(土)
●主催:しむかっぷふるさとふっつくふくらむ協議会
     占冠村公民館
●後援:スローフード・フレンズ北海道
●場所:4日(金)上トマム地区・アルファリゾート・トマムほか
     5日(土)中央地区・占冠村コミュニティプラザほか
●スケジュール
11/4(金)
12:30 上トマムコミュニティセンター前集合
13:00 「人間(アイヌ)の目」ワークショップ 源流の森歩き
     アイヌの目線で森を歩く(旭川川村カネト記念館館長 川村兼一さん・
細谷誠さん)
15:00 基調講演 山脇正俊さん 「近自然セミナー 水利水害とまちづくり」
17:00 「雲の目」ミニセミナー トマムの取り組み 
     雲海の共同研究とアイスビレッジの雪氷文化(山岸奈津子さん)
17:30 「鹿の目」ミニセミナー 
     占冠のエゾシカ資源循環の今後(荒木奈津子さん)
18:00 「源流から海へ」ツアー記録VTR放映&報告
18:30 地域食材の交流会 ユックユック(八巻純平シェフ)
21:00 終了 参加者トマム泊

11/5(土)
08:00 トマム出発 中流域を少し見て占冠中央へ
09:00 「源流から海へ」ツアー記録VTR放映&報告
09:30 「魚の目」ミニセミナー サクラマスプロジェクト(竹林利広さん)
10:00 特別講演 島村菜津さん 「水と暮らす 世界のスローシティ」
12:00 しむかっぷランチ(検討中)
13:00 終了

●参加費

講演会・セミナー・ワークショップ 参加無料
アルファリゾート・トマム 宿泊 1泊朝食3,500円(特別料金)
地域食材の交流会 3000円程度(飲み物代別)
しむかっぷランチ(1500円程度で検討中)

●申し込み先 下のフォームにご記入の上、下記までお申し込みください。

 〒079-2201北海道勇払郡占冠村字中央
  占冠村教育委員会事務局社会教育担当 主任 竹内清孝
  TEL:0167-56-2183 FAX:0167-56-2886
  E-mail:kiyotaka.takeuchi(アットマーク)vill.shimukappu.lg.jp

●申し込みフォーム

お名前(                )
メールアドレス(            ) 
ご住所(                             )
参加されるスケジュール(全行程・一部参加      ~      )  
宿泊(する・しない)
交流会(参加・不参加)
しむかっぷランチ(要・不要)

■山脇正俊(やまわき・まさとし)プロフィール 
http://web.me.com/masatoshiyamawaki/
電気工学修士(博士課程修了相当)、近自然(工)学研究家、スイス近自然研究所代表。
1950年高知県生まれ,1978年早稲田大学理工学研究科後期博士課程でスイス連邦立チューリッヒ工科大学高電圧研究室へ客員研究員として招かれ永住。1980年よりスイス連邦工科大学・チューリッヒ州立総合大学講師(武道)、2004年より北海道工業大学客員教授。
スイス・ドイツの新しい川づくり『近自然河川工法』を日本に紹介し続け、国土交通省河川局の『多自然型川づくり』の成立と普及に力を注いできた。現在、近自然(地球環境と人との共生共存の包括的理念)やその体系的原則である近自然学、具体的応用と実践である近自然工学・近自然工法(川づくり、道づくり、まちづくりなど)の研究をライフワークとする。近自然の啓蒙普及を目的としたシンポジウム・技術セミナーの企画や、スイス・ドイツへの視察研修をコーディネート。近自然(工)学における講演・訳著・論文、ラジオ・テレビ出演多数。2 0 0 4 年9 月から日経B P ウェブサイトにて『入門「近自然学」: 豊かさと環境の両立は可能だ』の連載
http://www.nikkeibp.co.jp/jp/report/expert/index13.html

■島村菜津(しまむら・なつ)プロフィール
1963年生まれ。東京芸術大学美術学部イタリア美術史卒、イタリアに留学。現地で数年間の取材を基にした著書「スローフードな人生」が話題となり、日本にスローフード運動を広げるきかっけとなる。現在はノンフィクション作家として活動中。
「スローな未来へ」小さな町づくりが暮らしを変える (小学館)
「そろそろスローフード」(環境運動家の辻信一氏との対談集=大月書房)
「バール、コーヒー、イタリア人~グローバル化もなんのその」(光文社新書)
「スローフードな人生」(新潮社)
「イタリアの魔力」(角川書店) など著作多数。

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島村菜津さんよりメッセージ(2011.10)

 長期化する就職氷河期に原発問題と、若者たちに申し訳ないような現状の中、さらに日本を覆う閉塞感のひとつに、生活空間の均一化ということがあるように思う。
  目下、わが家から最も近い小売店は、バス停二つ先のコンビニで、それは福岡の実家でも同じだ。足腰の弱った母親が頼りにしていた地元スーパーもこの春、潰れた。スローな社会の実現が議論されて久しいというのに、周囲には、巨大なショッピングセンターやシネコン、画一的な住宅街、駅前のチェーン店・・・そんな全国同じような風景が増殖している。さらに戦後、第一次産業を犠牲にし、自動車産業に経済を委ねてきた日本では、都市ばかりか地方でも、車での移動を前提とした街づくりが主流だ。
  しかし、一端、歩いて暮らすという視点で眺め直した時、こうした日本の空間は、どこか息苦しく、殺風景だ。ましてや、目もかすみ、足腰も弱り、車の運転もままならなくなった高齢者や車椅子での移動を余議されなくなった者には、苦痛と危険に満ちた空間である。 
  そんな90年代末、スローフード運動が、改めてローカリズムという原点に回帰したのが、イタリアにおけるスローシティ連合の誕生であったと、私は考えている。日々の食卓、愛する地元、食を介してつながる友、そうした現場を持たないスローフード運動は虚ろだ。グレーヴェ・イン・キアンティの元町長、パオロ・サトゥルニーニの提案から生まれたスローシティ連合は、暮らしやすい地元づくりという小さな世界からのスローフード運動を呼びかけた。人間サイズの人間らしいリズムが残る街を守ろうというのだ。現在、イタリアに53、世界に104の街が連合。韓国にも、すでに6つのスローシティがある。彼らが守り、育てたのは、まず、地元の小さな農家や漁師であり、地産地消の店であり、失われた市の復活であり、有機農業に参入する移住者の支援であり、食がつなぐ人と人の新たな関係づくりといったものだった。そして。大型ショッピング・コンプレックスより、小ぶりな地元のスーパー、大手のシネコンよりユニークな映画祭を支援した。
  日本と同じように車好きのお国柄ながら、こうして、彼らは歩いて日常の買い物ができる、ほどよい大きさの暮らしの場を死守している。しかも、このガイド本にも載らない小さな田舎町の復活は、70~80年、過疎化、第一次産業の決定的担い手不足という危機的状況の中で起こったのである。
  日本だけでない。世界中の街の様相と食生活を均一化していくグローバル化の負の側面に、私たちは抗えるだろうか。次世代に希望をもたらす街づくりは可能か。かつてない災害、福島第一原発という課題、さらにTPP問題が頭をもたげる中、改めて大地や海とのつながりを取り戻す、今が最後のチャンスではないか。今こそ、国内の生産者との関係を見つめ直すスローフードの原点に帰ろう。地方には、過疎化、高齢化、限界集落とネガティブな言葉が飛び交い、被災地には、コンクリートだらけの安全だが武骨な都市計画が押し付けられようとしている今、スローシティのふんばりに、私たちは多くの示唆をみるのである。


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環境プラザ「食と環境」シリーズ

なお詳細は環境プラザのHPにも掲載しています。
http://www.kankyo.sl-plaza.jp/work/food/index.html

●会場/講演/札幌市環境プラザ環境研修室
●試食/札幌市消費者センター 食材研究室

●参加料/各回500円※親子で参加の場合のみ中学生以下1人につき300円
●定員/60名(先着順)
●申し込み方法
札幌市環境プラザ電話011-728-1667へお電話でご予約ください。
または、お名前・住所・連絡先を記入のうえ、FAX011-728-1400、メールでお送りください。

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第4回 2011年11月6日(日)
暮らしの巻「森・海・大地とともにある食と暮らし~そこから見える未来」


講師/島村奈津さん(作家 東京在住)
聞き手/湯浅優子さん(スローフード・フレンズ北海道代表)

著書を通して日本にスローフードを伝えた作家島村奈津さん。
日本の北から南まで食とその環境、そこにある暮らしを取材し、その魅力を伝えています。
本当に豊かな食とは、私たちはどのようにするとこの豊かな食を未来に残して行けるのかお話を聞いて一緒に未来を描こう。

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主催/札幌市環境プラザ(指定管理者:(財)札幌市青少年女性活動協会)
企画・運営/スローフード・フレンズ北海道
後援/環境北海道地方環境事務所、北海道

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■第1回 2011年8月21日(日)
森の巻「エゾシカ~共生のために美味しく食べる」
終了しました
講師/井田宏之さん(エゾシカ協会事務局長)
聞き手/湯浅優子さん(スローフード・フレンズ北海道代表)
ゲスト料理人/塚田宏幸さん 金子智哉さん

増え続けるエゾシカを森の宝に変える活動をしてきた井田さんにエゾシカの事を聞いてみよう。
エゾシカが北海道の大切な宝になる理由がそこにあるよ
試食付き‐エゾシカの食べ方を学びながら一口ずつ味わいます。

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第2回 2011年9月3日(土) 
海の巻「幻の魚『サクラマス』から川そして海を知る」
終了しました
講師/西田たかおさん(せたな町漁師・第五十八旭丸船長)
聞き手/湯浅優子さん(スローフード・フレンズ北海道代表)

きれいな水の川でなければ住めない「サクラマス」。川と海の関係と「サクラマス」が
なぜ幻になったのか? を漁師の西田さんに聞いてみよう
試食付き‐サクラマスと鮭の違いを一口ずつ味わいます。

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第3回 2011年10月2日(土)
大地の巻「おいしくなった北海道のお米」
終了しました
講師/山川八重子さん(旭川市 米農家)
聞き手/鈴木秀利さん(有機やさい「アンの店」代表)

お米ってとっても身近な食べ物だけど結構知らないことがいっぱい。
米農家の山川さんに北海道のお米がどうしておいしくなったのか?
その理由ととりまく環境のことを教えてもらう。
試食付き‐お米を三品種、違いを一口ずつ味わいます。


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■これからの主な予定(変更になる場合があります)


※スローフードフレンズの交流会やツアーは一般の方の参加も歓迎します。スローフードの活動に興味のある方、ちょっと参加してみたい方など、お気軽にお問い合わせください。

●NPOわが村ネット講演会「島村菜津さん講演会」  11月3日(木)
●近自然ワークショップしむかっぷ 山脇正俊さん・島村菜津さん 11月4日(金)-5日(土) (占冠村)
●島村菜津さんを囲む会  11月5日(土) (札幌市)
●環境プラザ「食と環境と暮らし」島村菜津さん 11月6日(日)(札幌市エルプラザ)
●スローフードジャパン全国リーダー会議 12月2日(長崎県雲仙市)
●テッラ・マードレジャパン in UNZEN 12月3日-4日(長崎県雲仙市)
●テッラ・マードレデー 12月10日(土)
●樽に詰まった母の味・えりもいずし作り 11月(えりも町)
●スローフード全国総会 3月(高知県)
●スローフード総会後の四国ツアー 3月(高知県)
●2012年度北海道スローフードフレンズ総会 2012年5月予定(遠軽町)

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