「チーズ2005 ミルクの形」
於:ブラ(イタリア) 2005/9/16-19

イタリア国際本部の石田雅芳氏より2005年9月16〜19日にイタリア・ブラで行なわれたイベント「チーズ2005」の報告を頂戴しました。スローフード運動発祥の地で行われたイベントの空気をどうぞお楽しみください。
写真をクリックすると大きな画像(850×600ピクセル)をご覧いただけます。
 
 「チーズ」初日の写真をいくつかお送りします。

 ランランファームのヤギチーズは、日章旗とともに店頭に並びました。早くも人々の関心を集めています。開会式典には農相アレマンノがかけつけ、広場を埋め尽くした世界中の人々の前で、持続性農業と第三世界への貢献を訴えました。ペトリーニはお得意の冗談を交えた演説で、2006年テッラ・マードレやサローネなど近い国際イベントの趣旨を説明しました。
 「チーズ」は3日目に入りました。昨日より雨模様になりました。特に昨日の夜はどしゃぶりになり、コロルノのキャンパスから来ていた人々と、黒川さんたちとゴミ袋をかぶって移動するというハプニングもありました。

 2日目のトピックは、伝統芸能に対する授賞式が、ブラの劇場「ポリテアマ」で行れたことでしょうか。これはスローフード協会の新しい方向性として注目されました。従来からのテーマである「地域性」というタームを食べ物だけではなく、ライフスタイルにまで広げるという路線を具体化したものです。

 コッメディア・デッラルテの道化師がオープニングを飾り、ピエモンテのコーラス・グループに、フォッジアの楽団など、地域に根付いた伝統芸能をリサーチし、保存する人たちが集まりました。

 サン・ロッコ協会では生物多様性のためのスローフード基金のコーナーが設けられ、一日中テーマごとの研究会をしています。

 3日目のトピックはサルデーニャのペコリーノ・チーズ。羊のミルクをしぼるところから製品になるまで、BGM一切なしの硬派なドキュメンタリーに会場の人々が感動していました。これは去年のフィルムフェスティバルのドキュメンタリー部門に発表されたもので、ペトリーニ会長のお気に入りでもあります。食のドキュメンタリーは、次回日本からも応募できるのではないかと、フィレンツェで島村さんと話しました。

 本日4時に日本のヤギチーズが売り切れました。
 食育オフィスが運営した味覚サーカスが傑作でした。青いカツラをつけている女性が、「スローフード協会の誇る」食育オフィスの責任者ヴァレーリア・コメッティ。シルクハットのおじさんは、マスター・オブ・フードのチーズ担当講師です。何と今回はこのイベントのために、ブラの見晴し台に子供たちの集まるサーカス小屋が出現しました。

 帯広のヤギチーズは大変な人気で、あっという間に売り切れてしまいました。ワークショップでも実に評判よく、協会の名物チーズ鑑定家に「これは実に良くできたチーズだ!」と言われました。そのすぐ後に「ヤギチーズの家」で行われた試食会でも生産者の安木さんが積極的に発言して、人々の好評を得ていました。フェルミエの本間るみこ氏も出席されました。

 今回の「チーズ」には、100,000人の入場がありました。03年より5万人ほど減りましたが、連日の雨を考慮して良い成績と評価されています。ペトリーニ会長も「今回の入場者は雨にも負けず、イベントに大変な関心を見せてくれた。彼らに金メダルを授与したい。貴重な生産物がやってきて、品質が保証されたものが並び、知識を深めることのできる隔年開催のイベントを、彼らは決して見逃すことはなかった。」とコメントしました。

 世界中のチーズを集めた「グランサーラ」では、1万2千人の入場者。157種類のDOPチーズとIGPチーズに合わせて、3万杯のワインが消費されました。

 今年の目玉「ヤギチーズの家」では、5200人が試食をし、20カ国から105種類のヤギチーズが供されました。
●参加者の声●

※写真の無断使用は固く禁じます。
「チーズ2005」イベント概要へ TOPへ