トーク&上映会 in 札幌~「セヴァンの地球のなおし方」&若者たちと語る~
2月5日(日)13:30~17:00 @北大学術交流会館2階大講堂トークセッション『わたしの、北海道や日本のなおし方』
<メンバー>
・コーディネーター 宮本英樹氏(NPO法人ねおす理事)
・パネラー 徳冨義貴さん(北海学園大学、環境NGO ezorock釜石チームに参加)
金川綾華さん(天使大学、北の食物研究所副部長)
福澤萌さん(北海道大学、環境NGO ezorockに参加)
菅野義樹さん(酪農学園大学OB、飯舘村で肉牛生産に携わるが被災し本道へ)
(以下敬称略)
映画を観て最も印象に残ったキーワードは?
- 徳冨
- 「次世代に対する不当行為」地球温暖化などのさまざまな問題を抱える社会を作ってきたのはたしかに僕らよりも上の世代ではある。大人たちは僕らに責任はないというが、僕ら世代もわかっていて変えないとするならば、いまの世代以上に、次世代に対する不当行為となる。
- 金川
- 「子どもたちの未来」大学では食育について勉強している。それには、子どもたちに伝えたいという思いが常に念頭にある。
- 福澤
- 「環境サミット後も大人たちは経済の話をしている」実家が農家で、昔から「儲からない」「儲からない」という言葉をそばにいて聞いてきた。そして、食べ物を作る人の立場が低いことがずっと気に掛かっていた。そういう意味でも、この言葉が気になった。
- 菅野
- 「おばあちゃん」映画では福井のおばあちゃんたちが一生懸命有機農業に従事しているシーンが綴られるが、そのあとに監督は彼らが育てている牛の飼料には遺伝子組み換えの作物が使われていることを指摘する。その構成の仕方にショックを受けた。おばあちゃんたちもこの映画を観ているはず。無力感を感じるし、もうすこし違うやり方があったのではないか。セヴァンは行動が大切だと最後に言うが、(やみくもに行動することよりも)システムについてみんなで考えることが大事。ひとりの力では解決し得ない問題が世界には横たわっているという現実に改めて直面し、自分には何ができるかということをいまはずっと考えている。
20年後、世界はどうなっていたらいい?
- 徳冨
- 「意識」 20年後のことはこれまで考えてみたこともなかった。ほかの同世代もそうだと思う。ただ、こうした機会に参加させてもらったことを周りの友達にも話して、環境のことにも興味を持ってもらうことができるのでは。
- (宮本
- そういうことに対して周りはどういう反応を?)
- 徳冨
- 友達からはどうしてこういう活動に参加しているのかとよく聞かれる。僕みたいな人間が環境問題に関わっているというそのことだけでインパクトがあるように思う。僕自身が何か説明するまでもなく、友達自身がすすんで興味を持ってくれている。
- 金川
- 「一人ひとりが周りのことを考えられる世界に」日本人は原爆を通して原子力の怖さを知ったはずなのに、どうしてまた原発に変えて原子力をコントロールしようとしたのかがわからない。おそらく(原爆の)石碑を建てたことで満足しちゃった人がいるのではないか。3.11のことも忘れちゃだめだと思うが、忘れていないということだけで満足してしまう人もいるのでは。忘れないことは大切だけど、それを考え続けることの方が大事。いまの世の中は考える力が足りない。考えないと行動はできないのではないか。
- 福澤
- 「地域内で人・もの・お金」自分の作ったものを食べ、作っている地域の人たちと、お金のやりとりをして、地域を持続させていく。人・もの・お金を地域内で循環させることができる社会になったらいい。
- 菅野
- 「分かち合う心」ひとりの限界を強く感じる。北海道に避難し、北海道の人に励まされ、家族に励まされていまを生きている。一人ひとり考え方は違う。でも、一人ひとりができること、考え続けてできることを分かち合うことが大事。それはとてもハードルの高いことだが、それができる社会になったらいいと思う。自分も農業を通じて、それができる社会を目指したい。いろんな立場や考え方の人たちと問題を共有するようなときには、「相手をくどく言葉を自分で見つけなさい」とある人から言われた。脱原発も、TPPも、意識の高い人たちがよく考えて、よく言葉を選んで、周りの人たちをくどいていくことが必要。この映画を観た一人ひとりにはその責務があると感じた。